2026年1月23日、政府は「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」を決定しました。
今回の方針では、外国人本人だけでなく、受入れ企業、登録支援機関、監理支援機関にも、これまで以上に適正な制度運用と実効的な支援が求められる方向性が明確に示されています。
特に、
・外国人本人には、納税・社会保険料納付を含めたルール遵守
・受入れ企業には、在留管理や雇用管理の厳格化
・登録支援機関・監理支援機関には、形式的ではない実効的支援
が重視される内容となっており、外国人雇用実務は今後大きく変化していくことが予想されます。
本記事では、今回の「総合的対応策」が、外国人本人・企業・支援機関にどのような影響を与えるのか、企業法務の観点から整理します。
1.外国人本人への影響~「ルール遵守」が在留管理と直結~
今回の方針では、納税や社会保険料納付を含めた「ルール遵守」が、在留資格の維持・更新において、これまで以上に重視される方向となっています。
特に、
・マイナンバーを活用した情報連携(2027年3月~予定)
・在留カードとマイナンバーカードを一体化した「特定在留カード」の運用(2026年6月
~予定)
といった制度整備が進められています。
これにより、納税・社会保険料納付状況などが、在留審査へより直接的に反映される方向となっています。そして、こうしたルール遵守が適切に行われない場合には、在留資格更新や永住許可等にも影響が及ぶ可能性があります。
その一つとして、永住者については、公租公課の未納等を「永住許可取消事由」とする制度改正も予定されています。
2.受入れ企業への影響~「雇用管理」の重要性が拡大~
受入れ企業には、不法就労防止や適正な雇用管理について、より高いレベルの対応が求められます。
具体的には、以下が重要となります。
・在留資格確認の徹底
・外国人雇用状況届出の適正化
・就労実態の適切な管理 など
また、
・日本語学習支援
・生活ルールの周知
・相談体制整備
など、外国人が日本社会へ適応できる環境整備も求められる方向となっています。
これは、コンプライアンスだけでなく、離職防止や労務トラブル防止の観点からも重要と
いえるでしょう。
入管法だけでなく労働関係法令の遵守が求められることとなります。
法令違反があった場合には、雇用受入れ自体ができなくなる可能性があります。
3.登録支援機関・監理支援機関への影響~「実効的支援」が求められる時代へ~
登録支援機関や監理支援機関について、「書類作成中心」の支援から、より「実効性のある支援体制」への転換が求められる方向となっています。単なる入国支援ではなく、日本で安定して生活・就労できる状態まで見据えた支援が求められます。
具体的な支援としては例えば、
・生活ルールや法令順守の指導
・職場や生活上のトラブル対応など相談体制の整備
・転籍や離職リスクへの対応
・受入企業との連携強化 など
が挙げられます。
さらに、悪質な送出機関対策も強化されます。二国間取決め(MOC)を活用し、不当な手数料徴収や人権侵害を行う送出機関の排除を進める方針が示されています。
2027年度の技能実習制度に代わる「育成就労制度」への移行は、大きな制度変更となります。
特に、受入れ企業、登録支援機関・監理支援機関は、継続的支援と適正な在留管理が、これまで以上に重視されると考えられます。
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