② 外国人との「共生社会」とは? 2025年改訂・政府方針を解説|【制度改正・最新情報】藤沢市の行政書士

2024年から2025年にかけての政府方針では、「共生社会の実現」に向けた基盤整備が大きなテーマとなっていました。一方、2026年以降は『秩序ある共生』という表現も使われ始め、外国人政策は新たな段階へ進みつつあります。

もっとも、この「秩序ある共生」は、単なる排除や右傾化を意味するものではありません。そこには、「支援体制の拡充」と「ルールの徹底」という二つを両立させる考え方があると見ることができます。

具体的には、外国人が日本で安心して働き、生活し、キャリアを築けるよう支援を充実させる一方で、不法残留や悪質なルール違反には厳正に対応し、日本社会全体の安全と信頼を維持するという方向性です。

その前提となるのが、2025年改訂「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策」です。

在留外国人数は2024年末時点で約377万人、外国人労働者数も約230万人となり、いずれも過去最高を更新しています。こうした状況を背景に、政府は日本人と外国人が共に安全・安心に暮らせる社会づくりを重要政策として進めています。今回は、この総合的対応策の主な内容について整理します。

日本語教育を「共生」の基盤に

政府は、日本語教育を共生社会実現の基盤と位置付けています。
背景には、日本語能力不足による生活上の困難や、地域社会とのコミュニケーション不足、日本語教室が不足する地域の存在などがあります。
そのため政府は、地域日本語教室の整備、「やさしい日本語」の普及、オンライン学習環境の整備、海外での日本語教育支援などを進めています。

また、2024年施行の「認定日本語教育機関制度」により、日本語教育の質の向上も図られています。さらに、技能実習制度に代わる「育成就労制度」を見据え、日本語能力向上は今後さらに重要になると考えられます。

「外国人に届く情報発信」への転換

政府は、外国人支援において「必要な情報が十分に届いていない」という課題も重視しています。そのため、多言語化や「やさしい日本語」、SNS活用、外国人生活支援ポータルサイトなどを通じて、外国人に分かりやすい情報提供を進めています。

また、在留手続、労働ルール、社会保険、医療、防災情報などをまとめた「生活・就労ガ
イドブック」の整備も進められています。

生活支援と就労支援の強化

外国人が日本で継続的に生活するためには、教育・就労・医療など幅広い支援が必要になります。政府は、子どもの不就学防止や日本語指導体制の整備、留学生の国内就職支援、多言語相談窓口、医療通訳体制などの整備を進めています。

また、FRESC(外国人在留支援センター)や法テラスの多言語対応など、外国人相談体制の充実も進められています。

在留管理の適正化も強化

一方で、「共生」を維持するためには、適正な在留管理も重要とされています。
現在、技能実習制度に代わる「育成就労制度」の準備が進められており、人材育成と人材確保を両立する制度への転換が図られています。

その一方で、不法残留対策、偽装滞在対策、悪質仲介業者への対応、在留審査の厳格化なども進められています。

また、納税や社会保険料納付状況の確認強化、デジタル技術を活用した情報連携なども進められており、「支援」と「ルール」の双方を強化する方向性が示されています。

まとめ

2025年改訂の「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策」からは、単なる外国人労働者受入れ政策ではなく、「外国人と日本人が、ルールを尊重しながら共に社会を形成していく」という方向性が見えてきます。

今後は、「共生」を前提としながら、より具体的な制度運用や適正管理を含めた政策へと進んでいくことが予想されます。

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